フィードバックの意味とは?言い換え・例文も分かりやすく紹介

この記事のポイント

  • フィードバックとは、相手の行動に対する改善点を伝え、修正を促すことです。
  • フィードバックは、様々な場面で使用されるため、場面ごとの意味や用例を理解することが必要となります。
  • 相手に対して効果的なフィードバックを行うには、適切な手法が存在します。適切でないフィードバックは、改善につながらないため注意が必要です。

フィードバックの意味とは?

フィードバックの意味とは?言い換え・例文も分かりやすく紹介

フィードバックは、ビジネスシーンで使用されることが多くなっています。この場合におけるフィードバックとは、業務上の行動に対して、評価の結果や改善点を伝えることを指し、相手に改善・成長を促す人材育成やマネジメント手法の1つです。また、フィードバックは、上司から部下に対して行われることが多く、方法も口頭や文章など様々です。

フィードバックの英語「feedback」の意味と語源

フィードバックは、英単語の「feedback」を語源とします。英単語としての本来の意味は、読者や利用者からの反応や反響、評価といったものです。また、システム制御において、出力された信号が制御のために戻ってくる「帰還」の意味でも用いられます。

反応や戻るといった意味を持つ英単語であり、そこから転じて、目標達成に向け、修正点や改善点を相手へ伝えることの意味で用いられています。

フィードバックを言い換えるとどんな言葉がある?

「上司からフィードバックがあった」などのように、フィードバックをそのまま用いることも可能です。言い換える必要がある場合には、反応や批評、評価、振り返り、意見などに置き換え可能でしょう。また、遡りチェックを行う「チェックバック」や、これからどうすべきかを追求する「フィードフォワード」なども近い意味を持つ用語です。

スマホで出てくる「フィードバック」とは?

フィードバックは、ビジネスだけでなく様々な場面で使用される言葉です。そのため、スマートフォンやPCを使用している際に、Web上でフィードバックという言葉を目にする機会も多いでしょう。

Webで目にするフィードバックは、運営元や開発元に意見や情報を送るという意味で用いられることが多くなっています。次項からInstagramとYouTubeにおけるフィードバックについて解説を行います。

Instagramのフィードバックとは

Instagramにおけるフィードバックは、何らかの不具合が起きた場合に目にすることになります。「フィードバックを送信」と書かれたボタンを目にしたことのある方も多いでしょう。この場合におけるフィードバックは、どのような不具合が起きたのかInstagramの運営に伝えることを意味しています。運営は、伝えられた不具合の情報をもとにして、再発防止などの改善策を講じることになります。

YouTubeのフィードバックとは

YouTubeにおけるフィードバックは、運営に対して意見を伝えるために使用されます。アップデートなどが行われた際に、フィードバック機能を使い、「以前より使いにくくなった」などの意見を運営側に伝えることが可能です。運営は、寄せられた意見を考慮して、よりユーザーにとって、利用しやすい環境構築につなげます。

フィードバックの言葉の使い方・例文

フィードバックは様々な場面で使用されるため、場面に応じて適切に使用しなければなりません。たとえば、人材育成におけるフィードバックであれば、次のように使用されます。

  • 上司から肯定的なフィードバックを受け取った部下は、モチベーションが向上する
  • 適切なフィードバックは、部下の気づきを促進し自発的な成長につながる

また、ソフトウェアやシステムの開発であれば、次のように使用されます。

  • ユーザーからの不具合に関するフィードバックがなければ、システムは改善できない
  • 同社では、フィードバックをもとにした機能を追加することで、ユーザーから高評価を得ている

フィードバックは、スポーツ分野でも使用します。この場合におけるフィードバックは、次のように使用されています。

  • 試合後にコーチから受けたフィードバックにより、選手自身も気づいていないミスの発見につながった
  • トレーナーからフィードバックを受けたことで、より効率的なトレーニングが可能となった

どのような場面でフィードバックを使用する場合であっても、相手に何かを伝え、改善や修正を促すという基本的な意味は異なりません。

ポジティブフィードバック・ネガティブフィードバックとは

フィードバックは、相手に改善を促すために行われます。しかし、フィードバックを行う際には、どのような態度で臨むべきなのでしょうか。

フィードバックは、「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」の2種類に大別可能です。両者の意味は、次の通りとなります。

  • ポジティブフィードバック
    ポジティブフィードバックでは、評価を伝える際に相手の良い面に着目します。たとえば、「意欲的に仕事を行っていた」「顧客目線での接客を行っていた」など、良かった点を相手に伝えます。ポジティブフィードバックは、モチベーション向上に大きな効果がありますが、相手によっては、現状で満足してしまう危険性もあるため注意が必要です。
  • ネガティブフィードバック
    ネガティブフィードバックでは、相手の行動の問題点など、悪かった点に着目し、フィードバックを行います。たとえば、「情報の羅列だけで、自分の意見のない資料だった」「会議において話すスピードが早過ぎ、聞き取りにくかった」などが挙げられるでしょう。しかし、ネガティブフィードバックも、相手の成長のために行われるものであることを忘れてはなりません。そのため、人格を否定したり、やる気を失わせたりするようなフィードバックは控えましょう。

ポジティブフィードバックと、ネガティブフィードバックのどちらを選ぶかは、相手や伝える状況によって異なります。あくまでも成長のために行うことを忘れずに、適切な選択を行ってください。

看護領域のポジティブフィードバックは?

看護領域においても、フィードバックは日常的に行われています。患者の命を預かる看護の現場においては、振り返りを行い、改善する重要性も高いといえるでしょう。また、看護の現場においては、チームが連携して業務に当たります。そのため、メンバーと良好な関係を築き、モチベーションを向上させるポジティブフィードバックが有効な方法となるでしょう。

ネガティブフィードバックも、気づきを得て改善につなげる点では有効です。しかし、その際には、チーム内の関係が悪化しないような配慮が必要となります。

フィードバックの手法

フィードバックは、ポジティブフィードバックとネガティブフィードバックに大別されますが、その他にも以下のような手法に区分可能です。

  • SBI型
    SBIとは、「Situation(状況)」「Behavior(行動)」「Impact(影響)」の頭文字を取った略語です。SBI型では、S→B→Iの順にフィードバックを行います。この手法では、状況と行動を整理したうえで考えを伝えることにより、順序立てた説明が可能となります。相手にフィードバック内容が伝わりやすい点がメリットといえるでしょう。内容が伝わりやすければ、振り返りにより得られる気づきも多くなります。
  • サンドイッチ型
    サンドイッチ型は、ポジティブなフィードバック内容にネガティブな部分を挟み込む手法です。この手法では、ネガティブな部分を伝えやすくなり、モチベーション低下もある程度抑えることが可能です。しかし、ネガティブフィードバックの部分の効果が薄れてしまう可能性もあるため、注意しましょう。
  • ペンドルトンルール型
    ペンドルトンルール型では、他の手法と異なり、一方的にフィードバックを伝えることはありません。相手とのコミュニケーションを取りながらフィードバックを進めるのが特徴です。密にコミュニケーションを取りながら進めるため、より大きな成長が期待できる反面、フィードバックの実施に時間が掛かってしまうデメリットも存在します。

面接フィードバックとは

面接の場面においてもフィードバックは行われています。面接フィードバックでは、応募者に対して、面接において良かった点や悪かった点、次への改善点などを伝えます。

基本的に面接フィードバックは、1次面接後の2次面接など、自社の採用において、次のステップへ進む応募者に対して行われます。しかし、なかには面接を行った応募者全員に対して、面接フィードバックを行う企業もあるようです。

面接フィードバックのメリット

アドバイスとなる面接フィードバックは、応募者にとってメリットのあるものといえるでしょう。また、フィードバックを行う企業側にとっても、採用後のミスマッチを防ぐという点でメリットが存在します。面接フィードバックを行うことで、応募者にも企業の求める人物像や評価の基準が伝わります。もし、この時点で企業の考えと自分の考えがマッチしないと判断すれば、応募者は辞退という判断を取ることが可能です。

採用後にミスマッチが発覚することは、企業と応募者双方にとって不幸な事態となります。面接フィードバックの実施は、そのような不幸な事態を避けることにつながります。

もっと詳しく!フィードバックに関するおすすめ論文と要約

フィードバックに関する論文を要約して紹介します。

フィードバックと振り返りが学習者の認知欲求に及ぼす影響の検討

この研究は、「フィードバックと振り返りが学習者の認知欲求に及ぼす影響」について検討しています。研究者は中学生を対象に、実験群と統制群に分け、社会科歴史的分野の授業を用いて、フィードバックと振り返りの効果を比較しました。

主な発見は以下の通りです。

  1. フィードバックと振り返りを行った群では、認知欲求が高まる傾向が確認されました。具体的な振り返りを行った学生は、認知欲求が有意に高まりましたが、抽象的な記述に留まった学生ではそのような傾向は見られませんでした。
  2. 非認知能力、特に「認知欲求」の重要性が強調されています。認知欲求は、努力を要する認知活動に従事し、それを楽しむ内発的な傾向と定義されています。
  3. 研究では、学習者に対する認知活動の評価結果のフィードバックと、具体的な振り返りを書かせることが、認知欲求を高める可能性があることが示唆されました。

この研究は、教育実践において、フィードバックと振り返りが学習者の認知欲求を高めるための有効な手段であることを示しています。特に、具体的な振り返りが重要であり、学習者が自分の学習過程をより深く理解し、認知欲求を高めるのに役立つことが強調されています。

出典:フィードバックと振り返りが学習者の認知欲求に及ぼす影響の検討|J-STAGE

プロセスフィードバックが動機づけに与える影響

この研究は、ポジティブなプロセスフィードバック(PosiProFB)とネガティブなプロセスフィードバック(NegaProFB)が受け手の動機づけに与える影響を、制御焦点の観点から検討しました。主な結果は以下の通りです。

  1. 制御焦点の影響
    プロセスフィードバックの影響は、受け手の制御焦点によって異なります。促進焦点が活性化された場合、PosiProFBが受け手の動機づけを高めます。一方、防止焦点が活性化された場合、NegaProFBが動機づけを高めます。
  2. フィードバックの種類
    フィードバックがポジティブかネガティブかによる影響は、受け手の制御焦点に依存します。防止焦点の状況では、ネガティブなフィードバックがより効果的です。
  3. 教育的応用
    フィードバックは教育的な介入に有効ですが、受け手の特性に合わせた適切なフィードバックの提供が重要です。

この研究は、教育やトレーニングにおいて、個々の受け手の特性に応じたフィードバックが動機づけを高めることを示唆しています。

出典:プロセスフィードバックが動機づけに与える影響 | CiNii Research

監修者の編集後記

ただ漫然と業務を行っているだけでは、生産性の向上は望めません。生産性の向上のためには、改善すべき点についての気づきが必要となります。

フィードバックは、従業員が成長への気づきを得るための大切なステップとなります。また、フィードバックを行う側にとっても、新たな気づきを生み出す一助となり得ます。ぜひ当記事を参考に、効果的なフィードバックを行ってください。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。