コワーキングスペースとは?料金形態と利用状況データ

この記事のポイント

  • コワーキングスペースとは、さまざまな業種や性別の方が、同じ空間で同じデスクを共有して働ける空間、場所のこと。
  • コワーキングスペースの認知度は高いが、実際に利用したことがある人は少ない。
  • 企業のオフィスでコワーキングスペースのような空間を採用することで、柔軟な考え方や、発想、チームでの働き方がしやすく、仕事へのモチベーションアップにもつながる。

コワーキングスペースとは?

コワーキングスペースとは?料金形態と利用状況データ

コワーキングスペースとは、性別や年齢関係なく、多種多様な業種の人が集まって共同で仕事をする場所のことです。共有する空間、場所であり、仕事できる環境や設備が整っています。

仕事もできるほか、利用者同士の交流もできる空間というイメージです。ここでは、コワーキングスペースで利用できるサービスと料金形態について以下に解説します。

コワーキングスペースで利用できるサービス

コワーキングスペースで利用できるサービスは以下のとおりです。

  • ワークスペースである会議用の大きなテーブル、個人用の小さいデスクやイスの使用ができる
  • 無線LANやフリーWi-Fiが完備してあるため、共有して使える
  • 個人用のロッカー。指定席がなく、貴重品を管理するためのロッカーが使える
  • コピーやスキャン、faxを備えた複合機が利用できる

また、フリードリンクや、ルームレンタルして、交流会などイベント開催も可能のため、仕事以外にも使える空間となっています。個室も完備しているところもあるため、集中したいときに使えます。

コワーキングスペースの料金形態

料金形態は、月額料金として支払うパターンと、使用時間ごと課金するパターンがあります。

初めてコワーキングスペースを使う人は、使った分だけの支払いをする方法がおすすめです。もし月額料金で支払っても行く機会が少なければ、不要なコストがかかります。よって、使い慣れて、何度も通うようになってから月額料金にしましょう。

料金相場は地域や場所によって異なりますが、1時間1,000円未満で使えるところがほとんどです。半日、一日中使うことも可能で、数時間使う場合は1時間経過するごとに300~500円ほど追加されます。

コワーキングスペースは会員登録が必要な場所は多いですが、登録しなくても使えるスペースもあります。

コワーキングスペースと合わせて知っておきたい用語

コワーキングスペースを調べていると、似たような用語が出てくることでしょう。

たとえば、以下の2つです。

  • シェアオフィス
  • レンタルオフィス

ここでは、コワーキングスペースとの違いも合わせて解説します。自分はどの場所が合うのか、用途に合わせて使用する場所を選べるようになるでしょう。

シェアオフィス

シェアオフィスとは、1つのオフィスを、他の企業や個人が複数シェアして使う形態のことを指します。

シェアオフィスを使うメリットは、仕事するために必要なデスクやイス、建物や部屋などを借りたり、買ったりする必要がないため、初期費用がかからないことです。またコワーキングスペースとの違いは、交流目的ではなく、仕事するために事務用品などを共有する場所という点が挙げられます。

シェアオフィスは、保証金や入会金を支払う必要があったり、会員でないと入室できないところも多いです。また、一時利用はしていないところもあるため、使用する際は必ず確認しましょう。

レンタルオフィス

レンタルオフィスとは、契約が必要で、他人には使用できない自分だけのオフィスのことです。自分専用の個室スペースがあります。たとえば、賃貸アパートのように1つの建物に部屋がいくつもあり、別々の人が利用して施錠もできるスペースです。

レンタルオフィスは施錠できるため、パソコンや資料などそのまま置いていっても構いません。そのため、自分だけの仕事部屋という感覚で使用できます。

レンタルオフィスでは、個々の部屋だけでなく、広いスペースもあります。会議室などは利用者と共有して利用可能です。また、法人登記や住所登録もできるのがメリットです。

コワーキングスペースの認知・利用状況

新型コロナウイルスにより、リモートワークを取り入れる会社が増えました。自宅では仕事スペースもなく、集中できないため、別の場所でできないかと探した経験もあるのではないでしょうか。

では、コロナ禍の影響でコワーキングスペースの認知度は上がったのか、利用状況はどうなっているのでしょうか。ここでは、実際の数値データを参考に解説します。

利用状況・利用の決め手

利用状況・利用の決め手をLINEリサーチが20代以上の男女に調査を行いました。

20代全体では、52%と半数以上がコワーキングスペースを認知している結果になっています。そのうち、利用はしたことがないのは47%、今も利用しているのが2%という回答で、

利用したことがあると答えたのは6%と、知ってはいるが、利用したことがない人が多くみられました。

男性の年齢別でみると、20代が、現在も利用している方が5%と男女年齢別では一番多いです。30~50代は3%という結果になっています。

女性の年齢別でみると、20代が全体の2%、30~50代では1%が現在も利用していると分かりました。このように、女性よりも男性が現在も利用していることが明らかです。

また、コワーキングスペースの利用時間として、中小企業ビジネス支援サイトが1,000人に調査を行ったデータを解説します。

一日にどれだけ活用したかというアンケートによると、1~3時間が30人と一番多く、3~5時間が21人、5~8時間が11人という結果でした。

家や会社でなく、別の場所で短時間だけ集中したいときに使っているということが明らかとなりました。また利用の決め手として、集中できる場所が欲しい、交流できるところが魅力だから、環境を変えて仕事したいという声が多く見られました。

参考:流行体感から読み解くサービス未来予測 流行予想シリーズ ~コワーキングスペース編~ : LINEリサーチ調査レポート|リサーチノート powered by LINE (blog.jp)
参考:コワーキングスペース/レンタルオフィス | 市場調査データ | J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト

コロナ禍の影響と今後の利用意向

コロナ禍の影響で、リモートワークやテレワークを推奨する会社も増加。1回目の緊急事態宣言の際は、利用者は一時的に減少の傾向が強くなりました。

しかし、人が集まる場所だと感染のリスクが高まるとして、コワーキングスペースの利用は本末転倒だといわれていましたが、さいたま市大宮のコワーキングスペースが満席になったというニュースもありました。

コロナが終息した現在でも、そのままリモートワークを継続する会社もあるため、需要が増えてきている現状です。

その背景には以下の事情がみられます。

  • 家では仕事できるスペースの確保が難しい
  • Wi-Fiなどの通信環境が良くない
  • 小さな子どもがいて、集中できないなどトラブルがある

このように、家では不都合なことが多く、コワーキングスペースを活用しなければ仕事にならないという方が利用していることも分かりました。

参考:コロナ渦の中でも減らないコワーキングスペース利用者 | クラウドPBX モッテル

コワーキングスペースの支払いはクレジットカードがおすすめな理由

コワーキングスペースの支払いはクレジットカードをおすすめします。その理由としては、ポイントが貯められることや、利用特典があるカードが多いためです。

特におすすめなカードは以下の3つ。

  • アメリカンエクスカード
  • ダイナースクラブビジネスカード
  • マネーフォワードビジネスカード

ここでは、事例やおすすめな理由も合わせて紹介するため、クレジットカードでの支払いを検討してみてください。

アメリカンエキスプレスカード利用でoffice pass登録可能

アメリカンエキスプレスのカードを利用している方が登録できる「office pass」と呼ばれるサービスがあります。office passを登録すると、全国約750ヶ所のオフィスを使え、事前予約がいらずにコワーキングスペースを利用できます。

さらに、毎年のカード更新の際、対象加盟オフィスで利用できる「office pass 10回無料クーポン」がもらえるのがメリットです。よく利用する方は、アメリカンエクスプレスカードを活用して、賢くコワーキングスペースを使いましょう。

参考:OFFICE PASS(登録制)|クレジットカードはアメリカン・エキスプレス(アメックス)

利用特典満載のダイナースクラブビジネスカード

ダイナースクラブビジネスカードは利用特典満載です。カードを持っていると、東京・横浜など首都圏で19拠点展開する会員制シェアオフィス「Business-Airport」を入会事務手数料免除で利用できるメリットがあります。

また、名古屋・栄のテレビ塔3階にある会員制有料ラウンジ「THE TOWER LOUNGE CASHIME(カシメ)」も利用可能です。有料ではありますが、コワーキングスペースでは珍しい、アルコールや軽食も楽しめます。

このように、いつも使用しているコワーキングスペースでの支払いだけでなく、利用特典で使えるコワーキングスペースも使えるため、カードを活用しましょう。

参考:ビジネスラウンジ&コ・ワーキングスペース | ビジネスカード専用サービス | クレジットカードのダイナースクラブ 

法人・個人事業主におすすめ「マネーフォワード ビジネスカード」

マネーフォワードビジネスカードは、法人・個人事業主におすすめです。

  • 月の利用上限なし
  • 与信審査もない
  • 何枚でも無料で発行できる
  • 初期費用、年会費無料(2年目以降は利用実績がなければ費用はかかる)

他の企業のカードよりもスムーズに作れるため、急ぎで作りたい方にはメリットです。

さらに、9社と提携し、カードを持っている方はユーザー特典が受けられるため、カードを活用しましょう。

詳しい提携先やサービスはリンクをご確認ください。

参考:「マネーフォワード ビジネスカード ユーザー特典」を提供開始|株式会社マネーフォワードのプレスリリース 

もっと詳しく!コワーキングスペースに関するおすすめ論文と要約

コワーキングに着目したワークプレイスに関する研究|日本建築学会 ・情報システム技術委員会

ワーキングスペース(CWスペース)とその利用者の働き方に関する研究を紹介しています。研究は、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチとテキストマイニングを用いて、コワーキングスペースの価値と課題を明らかにすることを目的としています。

研究の背景として、ICTの発展と企業のダウンサイジングにより、働く場所の選択肢が多様化していることが指摘されています。このような状況の中で、コワーキングスペースが新たな働き方の場として注目されています。

研究では、国内のコワーキングスペースに関する情報を収集し、その数の推移やタイプ別の特徴を分析しています。また、コワーキングスペースの利用者7名を対象に日誌調査を行い、彼らの働き方やコミュニケーション行動の特徴を調査しています。

調査結果からは、コワーキングスペースの利用方法には大きく分けて「短時間利用」と「長時間利用」の2つのパターンがあること、利用者によって働く場所や行動内容に多様性があることが明らかになりました。また、コワーキングスペースを利用する時間帯や、コミュニケーションの相手によっても利用者の行動パターンが異なることが示されています。

出典:コワーキングに着目したワークプレイスに関する研究 |日本建築学会

コワーキングスペースにおけるコミュニティ構築とサステナビリティ向上の要因|北海道大学大学院経済学研究院

こちらの論文は、コワーキングスペースにおけるコミュニティ構築とサステナビリティ(持続可能性)の向上に影響を与える要因を探求しています。主な焦点は、コワーキングスペースでの利用者間の交流とその交流がコミュニティ形成やサステナビリティにどのように影響するかについてです。

コワーキングスペースは、個人が集まり、コミュニケーションを通じて情報や知識を共有し、協力して価値を創出するワークスペースです。これらのスペースは、柔軟なワークスタイル、メンバー間の多様性、知識共有、協力によるイノベーションの創出などが期待されています。

利用者間の交流は、オープンスペースの座席数、運営者による交流促進、利用者間の協力による新製品・サービスの創出などに影響されます。特に、利用者間の協力による成果創出が交流を促進する傾向にあります。

運営者による交流促進は効果的ですが、コミュニティ形成を重視する方針だけでは交流を促すには不十分であることが示唆されています。また、仕切られた座席数は利用者の交流に影響を与えていないことがわかります。

イベントの回数やジャンルが増えても、必ずしも利用者の交流には影響を与えないことが示されています。これは、イベントが交流のきっかけとなることは少なく、情報や知識の獲得の場として利用されることが多いためかもしれません。

利用者の多様性が交流に有意な影響を与えていないことから、利用者は特定のユーザーや多様なユーザーと交流を図っていない可能性があります。利用者は、自分の仕事を独力で進める場としてスペースを利用しているのかもしれません。

出典:コワーキングに着目したワークプレイスに関する研究 |日本建築学会

監修者の編集後記 -コワーキングスペースについて-

コワーキングスペースとは、性別や年齢関係なく、多種多様な業種の人が集まって共同で仕事をする場所です。

会社内でも、コワーキングスペースのような空間を取り入れて、従業員同士の交流や仕事のしやすいエリアを作り、業務効率を図る取り組みがされています。今後、働きやすい環境作りのため、さらに増えていくと考えられます。

コワーキングスペースを活用し、人と交流しながら仕事をすることで、クリエイティブな発想が生まれるなど、会社にも良い影響を与えるでしょう。

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。