シンパシーとは?例文や使い方、ビジネスでの活用を紹介
この記事のポイント
- シンパシーとは「同じ感情になる」といった意味で使われる言葉です。
- シンパシーを感じさせると、心理的な距離を縮めやすくなるため、ビジネスで人間関係を作るために有効です。
- シンパシーを深めるためには、相手の話をよく書いて共感できるポイントを探すことが大切です。
目次
シンパシーとは?
「シンパシーを感じる」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
「シンパシー」とは、同情や共鳴など「同じ気持ちになる」といった意味で使われる言葉です。無意識に相手と同じ感情・気持ちが湧き上がってくることを指しており、意図的に相手の感情と同じ気持ちになるものはシンパシーとはいえません。
シンパシーの由来
英語では「sympathy」と書きます。ギリシャ語の「syn(ともに)」と「pathos(苦しむ)」を組み合わせた言葉です。直訳すると「同情」「共感」「憐れみ」「思いやり」になり、相手を哀れに思うようなニュアンスが含まれています。
「シンパシーを感じる」の例文
ここでは「シンパシーを感じる」という言葉の使い方を紹介します。使用するタイミングとしては、他者に共感したり、価値観が合うと感じたりする場面で使われることが多いです。
「シンパシー」の後には、おもに「感じる」「抱く」「覚える」といった動詞が使われます。以下で、具体的な事例を3つご紹介します。
- 映画を見て
主人公の境遇を見ていると、自分の小さい頃と似ていているのでシンパシーを感じる。 - 相手が大切な人が失った時
私も大切な人を失った経験があるから今のあなたの状況にはシンパシーを感じるよ、一緒に頑張ろう。 - 価値観が合う初対面の人に対して
こんなにシンパシーを抱く人とはなかなか会えないよ。これからよろしくね。
なぜシンパシーを感じるのか?
シンパシーを感じる理由は、科学的にはまだ明らかになっていません。
人が生活をしていく上で他者の気持ちを理解したり、共感したりする力は、コミュニティ内での生存や種の保存に関わる問題です。そのため、進化する過程で生き残るために身に付けてきた可能性が考えられます。
シンパシーとエンパシーとの違い
「シンパシー」と似た言葉に「エンパシー」という言葉があります。どちらも、「共感」のニュアンスを含む言葉ですが、この共感に至るまでに違いがあります。
先にも述べたように「シンパシー」とは、相手に対して自然と同じ気持ちが湧き上がることを指しています。一方「エンパシー」は、相手が何を感じているか、考えているかを想像することを指しています。
つまり「シンパシー」は自然な気持ちから共感に至ること、「エンパシ―」は相手に寄り添おうと積極的に想像して共感に至る点が違いです。
ビジネスでシンパシーを活用するには
人はシンパシーを感じると、親近感を覚えます。この性質を利用して、これから関係を深めたい人に対して、意図的に「シンパシーを感じますね」と伝えることは1つの方法でしょう。ただし、嘘をついても相手にはバレるものなので、自然と共感したタイミングで伝えるのがベストです。
特に、営業やマーケティング職の方は、取引先との信頼関係が大切になります。シンパシーをうまく利用することで、成果につながるかもしれません。
シンパシーを深める方法
シンパシーを深めるためにはいくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは、シンパシーを深める3つの方法をご紹介します。
(1)日頃からさまざまなことを体験しておく
シンパシーを感じるためには、共感できるエピソードが必要です。さまざまな年代や文化の人にも共感できるように、日頃からさまざまな体験をして、幅広い考えや価値観を知っておくとよいでしょう。意外なタイミングでシンパシーを感じることがあるかもしれません。
(2)相手の話をしっかりと傾聴する
シンパシーを感じるまでには、共感できるエピソードを見つけることが大切です。そのためにも、相手の話にしっかりと耳を傾けるようにしましょう。
共感できるエピソードを見つけた後は、自分に重なるエピソードを伝えます。相槌や質問をすることで、さらにシンパシーを深めることが可能です。
(3)共感的な言葉で伝える
シンパシーを深めるためには、相手と同じ気持ち、考えであることを肯定的に伝えなければなりません。言い換えれば「批判的だ」「馬鹿にしている」などと、相手に感じさせないことが大切です。そのためにも、落ち着いた口調、かつ肯定的な言葉で共感の気持ちを伝えるように心がけましょう。
もっと詳しく!シンパシーに関するおすすめ論文と要約
シンパシーに関するおすすめの論文を紹介します。
- 共感性と日本語の“思いやり”の意味の相違点とその測定
この論文は、共感性と日本語の「思いやり」という言葉の意味の違いとその測定方法について探求しています。日本と西洋諸国との間で共感性に関する意味の違いが多く見られることから、この研究は行われました。共感性の定義とその変遷、さまざまな国での共感性の意味、さまざまな心理療法学派による共感性の見解をまとめた後、日本語の「思いやり」という言葉の起源、定義、その変遷を要約しています。最終的に、非言語コミュニケーションを通じて他者の感情に迅速かつ深く共感する「思いやり」の特徴が提案されています。 - 共感の理論と脳内メカニズム
この論文では、共感を行動的共感、身体的共感、主観的共感の3つに分類し、それぞれの定義と特徴を述べています。また、sympathyとempathyの違いについても触れ、共感の背後にある「心の理論」との関係性について再検討しています。共感を生じさせる神経メカニズムについても、ネットワーク的視点および局在論的視点から詳細にまとめられています。 - 共感性研究の意義と課題
このレビュー論文では、共感性研究の意義と課題について議論されています。共感性がどのように他者との情動を共有し、他者の情動状態を認知し、なぜ多くの場合、他者に対して善く振舞うのか、その進化と神経基盤についての研究領域が探求されています。 - 西田の哲学におけるシンパシーの本質
この研究では、西田幾多郎の哲学におけるシンパシーの概念を考察し、特に感情移入と共感との差異や他者問題に焦点を当てています。M. シェーラーのシンパシーの本質に関する現象学的分析を手がかりに、西田の他者論を現象学的に読み直す試みがなされています。
監修者の編集後記 -シンパシーについて-
シンパシーとは、自然と同じ気持ちになるといった意味で使われる言葉です。「シンパシーを感じる」と伝えると、相手に親近感を与え、ビジネスの場で人間関係を構築するために有効です。
心理学では「類似性の法則」といって、自分に似た性格や態度の人に魅力を感じることが分かっています。シンパシーを感じると、価値観や気持ちが似ていると思え、より魅力的に感じてもらえるかもしれません。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。